「ひまわり10月号から鑑賞」を書きました。 蔵本芙美子
鳴き始めすぐに端折りぬ法師蝉 駒木幹正
聞く側からすると耳はフルコースの鳴き声を聞くつもりでいるのに、さあ鳴きはじめたと思ったら途中で終わってしまった。どうも消化不良だなあといったところでしょうか。でもこれも楽しいことのひとつ。
ひまわりを駐在さんも見て通る 藤本紀子
駐在さん、の響きだけで穏やかな里の風景を想像します。駐在さん「も」だからみんながそこに咲いているひまわりを見て通るのでしょう。明るくてすてきな地域ですね。
西日濃し古本市の店仕舞い 大和田紀葉
結構夏に開かれる古本市は多い。お客は木蔭やテント影に入りながら本を見て回ってそれも楽しい。でも太陽も西へ回って西日があたるようになるともう耐えられない、そろそろ店を仕舞おうかということに。西日濃しの季語が読者の情感を掻き起します。
屋形船の舳先揃いし夕焼空 吉田正子
長良川鵜飼に行った時の句ということでしたが、鵜飼ではなくその時を待っている句を詠まれていて新鮮。
水打って小さき風の中に居る 平野つばき
小さな発見がすごくよかったと。
臨時駅すぐ夏潮の砂を踏む 豊川芳信
徳島の人ならあああそことすぐわかります。駅に万国旗とかの句が多いなか、中七以下が新しかった。
真っ青な空へブーブー西瓜種 前田風月
自分を解放しての幼いような詠み様がおもしろいです。
