徳島新聞秀句鑑賞欄2011年8月から転載
四五人に月落ちかかる踊かな 蕪村
俳諧では踊というと盆踊りを意味する。盆に帰ってくる精霊を慰めるために踊る。輪になって踊ったり、隊列を組んで町を「ながす」ところもある。
蕪村の句は踊り手の四五人に月の光が落ちかかったという。踊りの列が、ちょうど町並みの影をでたところだろうか、あるいは、はじめから四五人しかいなかったかもしれぬ。いずれにしてもとても静かな絵画的な光景で幻想的である。蕪村は江戸天明期を代表する俳人で画家でもある。正岡子規は俳句の近代的改革を推進するにあたり、写生を主張し蕪村を高く評価した。
徳島の盆踊りは阿波踊りとして全国的にも有名。今年(2011年)も百数十万の人が集まり、町中が踊り一色に染まった。私も俳句仲間と連を組んで踊った。「オドラニャソンソン」である。一方精霊送りの原形を留めた盆踊りも阿波には健在だ。私は、ほぼ毎年津田の盆踊りを観にゆく。踊りの果てに海にむかい、亡くなった人のタマヨビをする光景は一度みたら忘れられない。


蕪村の句、踊り手に月の光が落ちたのを「月落ちかかる」と表現したところはさすが!四五人、と月の光、で今の阿波踊りのような街中の賑わしい踊りとは違う、死者の霊を弔う本来の盆踊りを思い浮かべます。いや、阿波踊りも裏通りとか覗けば、違った景が見られるかも!今夜は最終日なので、今からちょっと覗きに行きます!では!