第78回通信俳句Aグループの選句結果(2026.7)

西池冬扇選

特選2句

21 誰も居ぬ日暮の茅輪潜りけり

 なんとなく異世界が近い時間帯

40 夕焼雲都庁を挟み西東

 高い所から見ると東京の空はやけに広い

入選6句

6  天の川超えて行くのかはやぶさ2

 人間もえらくなったね。

7  夏霧か雨か大窓真白なり

 山のホテルだろうか

19 登山口に牛小屋跡も黄菅咲く

 キスゲはいい

23 踏むまいぞ花見小路の大百足虫

 花見小路はなかなかの地名

36 東山祇園祭を待つばかり

 平明に作られていて感じがいい

38 どの株も同じ高さや青田面

 このボタンのあたりまで伸びたらね・・・けんさ

西池みどり選

特選2句

6  天の川超えて行くのかはやぶさ2

句材が新しく、且つリズム良く、言うところのロマンもあるような句。

17 客船に添う飛魚のひと並び

昔、こんなのを見た、既視感のある句。動きがあって良い。

入選4句

1  鷺の雛近くの枝に飛び移り

鷺の雛は見たことがなく、珍しい句だと思った。

24 不揃いの蛸の吸盤半夏生

半夏生にはタコを食べるんだそうな。つくづく見てみると、まあ確かに大小あるのだろう。

28 梅雨最中ミシンの糸も膨らんで

湿っぽい時期には湿気を吸ってこんなことがあるのだろう。細かいことに気がついた。

37 荒梅雨のフェンスに鳥の動かざる

雨が降っても、鳥は平気なのか。平気ではないけれど合羽を着るわけにもいかず。

――――――――

(以下受付け順)

佐藤戸折選

特選

43 放課後の駐輪場の立葵

 立葵は、梅雨の初めに下から咲き始め、梅雨最中に中ほどが咲き、梅雨の終わりに上が咲くと言われる。放課後の 駐輪場が空になっていく変化と立葵の変化を詠んだのかな。駐輪場の端にある立葵の違和感も、様々な個性を持つ学生との取り合わせを想像させて面白い。作者は先生か?

入選

3  梅雨曇り課外授業の赤帽子

 梅雨空の赤い帽子が可愛い。日本特有の学校の文化として残しておきたい。ふた昔前まで、真っ赤な長靴に真っ赤な傘の少女の姿が可愛らしく、とても好みだったが今はあまり見かけない。

5  それぞれにルーティンあり夜のプール

 趣味の人にはその人なりのルーティンか。夜のプールが健康志向の大事さを感じさせる。

17 客船に添う飛魚のひと並び

 魚が海上を飛ぶ姿は力強い。群れに出会った幸運が興奮に変わったのだ。

21 誰も居ぬ日暮の茅輪潜りけり

 さてさて、この作者の心境はいかにあったのか。読み手も茅輪に引き込まれて潜ってしまう。

酒井孝司選

23 踏むまいぞ花見小路の大百足虫

 怖い怖い!びっくりした事でしょう。

30 夏空へ伸びる長刀鉾頭

 すっきりと詠まれてます。長刀鉾も夏の季語では?

後藤光子選

9 友の特選喜ぶ友もまた涼し

人間こうありたいものですね 爽やかさの溢れる句

12 達磨に睨まれ龍に睨まれ寺涼し

お寺参りの醍醐味を知る爽やかな句

吉崎晶子選

21 誰も居ぬ日暮の茅輪潜りけり

正直な句ですね、ちなみに私は午前中の誰も居ない時に潜りました。

30 夏空へ伸びる長刀鉾頭 

リズムが良いと思います。鉾頭と言う言葉、教えて頂きました。

平岡宮子選

17 客船に添う飛魚のひと並び

 映画の一コマを見ているようです。

27 大楠の蔭に夏越を待つ衆生

 「衆生」難しい言葉ですが、ここでは夏越に参加されているすべての人(動物も含む)と解釈しました。

残りの半年元気で過ごしたいものです。

井内胡桃選

41 どことなく狐に似てる百合の花

 そう言えば似てる気がします。

43 放課後の駐輪場の立葵

 懐かしい気持ちになりました…駐輪場に立葵の景が浮かびます。

田村寿美選

11 のろし場の凸凹石よデイゴ咲く

デイゴはいかにも南方の赤い夏の花です。のろし場とは面白いですね。

13 山鉾守る男に聞きぬ鉾のこと

山鉾が夏の季語、祇園祭を見ての一コマだと思います。鉾のことは鉾を守る人が一番詳しいです。

森井郁代選

20 炎天や茹で蛸となり子の帰宅

 表現の面白さ

30 夏空へ伸びる長刀鉾頭 

 現場で見てみたいです

大賀毬選

24 不揃いの蛸の吸盤半夏生

えっ!と。なぜなら蛸の吸盤に魅せられ半夏生の日に私も‘’半夏生蛸の吸盤整然と‘’と詠んだからなんです。見る人により捉え方が違うんだなと笑ってしまいました。勿論!当日蛸は美味しく頂きました。

41 どことなく狐に似ている百合の花

グロリアサの花が毎朝次々と炎の様な赤色を見せてくれています。和名で狐百合とも言うそうですが上五のどことなくが実感として伝わります。

川口厚子選

32 鉾建てる神輿師縄で仕上げきる

 祇園祭での山鉾巡行は壮観!準備は独特な様ですね 釘やロープなど近代的な道具は一切使わず縄だけであの高い鉾を建てるのですね!「仕上げきる」に、その一部始終を見守っての作者の感動が伝わります

41 どことなく狐に似てる百合の花

 百合と狐、思いもよらなかった取り合わせです!そういえば狐の鼻(顔)のしゅっとしてるとこが百合に似てます!

 狐が神の遣いと信じられているところもあり、百合の花は清楚で上品で、その意味でも両者に共通点はあるような

生島春江選

特選

30 夏空へ伸びる長刀鉾頭

長刀鉾は祇園祭りの先頭を行く「巡行の華」。鉾頭の長刀は魔除けの象徴で、鋭く空へ向かって伸びる。

私もその景色を目の当たりにし、その勢いが真っすぐ伝わってくる臨場感がある。

入選

24 不揃いの蛸の吸盤半夏生

半夏生には蛸を食べる風習がある。観察の確かさがこの句の魅力。

28 梅雨最中ミシンの糸も膨らんで

ミシンの糸の変化を捉えた着眼点が鋭い。

40 夕焼雲都庁を挟み西東

「西東」の言回しが夕焼雲の広がりを余すことなく表出。

41 どことなく狐に似てる百合の花

 そういわれると狐に見える。

車田マサ子選

特選

24 不揃いの蛸の吸盤半夏生

なるほど蛸の足はそのとうり

入選

17 客船に添う飛魚のひと並び

27 大楠の蔭に夏越を待つ衆生

30 夏空へ伸びる長刀鉾頭

31 濯ぎものすぐに乾いて梅雨の明

清水規代選

12 達磨に睨まれ龍に睨まれ寺涼し

達磨の目龍の目に睨まれ恐ろ恐ろし尚涼し

21 誰も居ぬ日暮の茅輪潜りけり

気兼ねなく夏越の祓をなさったのですね

柚木克子選

24 不揃いの蛸の吸盤半夏生  

半夏生の7月2日にはタウリンたっぷりの蛸を食べると夏バテしないとか。よく見ると蛸の吸盤は不揃いだなあと、ささやかな気づきを句に。

28 梅雨最中ミシンの糸も膨らんで

梅雨の湿気た空気の中で、ミシンの糸まで膨らんでしまい何となく縫いにくい。日常にミシンを使って仕事をしている人の句。

紅露瑞代選

4  寺青葉我と違いし経の節

経の節の違い、気になります。共感しました。

33 南座の単衣の色のとりどりに

華やかです。

中富はるか選

特選

12 達磨に睨まれ龍に睨まれ寺涼し

達磨は禅宗の始祖。大きな目でお寺の玄関や床の間で睨んでいる

 心を見透かされている気分。寺涼し、そのとうりです。

入選

15 臨席の扇の風のやわらかし

24 不揃いの蛸の吸盤半夏生

26 夜を待つ昼の川床整然と

46風鈴市ころんころんと陶の里

笠原小夜子選

特選

15  隣席の扇子の風のやわらかし

入選

10  銀杏のぽたりと落ちる六角堂

30  夏空へ伸びる長刀鉾頭

31  濯ぎものすぐに乾いて梅雨の明

42  大はりどに京都一望夏料理

中川よし子選

11 のろし場の凸凹石よデイゴ咲く

のろし場の石とデイゴの花の取り合わせが良く 風景が 立ち上がります。

41 どことなく狐に似てる百合の花

咲き きっていない花は 確かに そう見えます。 観察力に 感心

藤本紀子選

特選

13 山鉾守る男に聞きぬ鉾のこと

日本三大祭の一つの祇園祭。それを守る人と言葉を交わした楽しい京の一日が思われる。

入選

9  友の特選喜ぶ友もまた涼し

おおらかな嬉しさが伝わってくる。吟行句、同じ景色を見て心から上手いなあと思ったのでしょうね。

21 誰も居ぬ日暮の茅輪潜りけり

静かな空気感が伝わってくる。

33 南座の単衣の色のとりどりに

南座は着物姿の人をよく見かける場所なのでしょう。涼しさと華やかさを感じます。

46 風鈴市ころんころんと陶の郷

陶製の風鈴はそう、ころんころんと鳴りますね。あの音なんだかほっとします。

村永まさのり選

26 夜を待つ昼の川床整然と

40 夕焼雲都庁を挟み西東

今岡京子選

4  寺青葉我と違いし経の節

施主となってからはお経の違いが気になるようになりました。

 仏さまはきっとどの節でも受け入れてくれるのでは、と思っています。

6  天の川超えて行くのかはやぶさ2

日本の探査ロケットの技術は素晴らしいです!

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