第2回冬扇俳句道場「乱取り」試合結果

特選3句

   明易の果実熟せし香を放つ    井内胡桃
   跨ぎ行き跨ぎ帰りし蟻の道    清水規代
   あめんぼの自由の世界田は広し  田辺美葉

入選9句

   四電の車来ている滝の前     山下悦子
   暗闇の竹の皮脱ぐ音がする    藤本紀子
   子かまきり尾の先までもいかってる 生島春江
   梅雨空に溶け出していく輪郭線  斎藤いちご
   ロボットから二つ受け取るソーダ水 今倉雅子
   夏蝶よ来い病室の青き空     松岡さつき
   おもいっきり南瓜の花開きたり  鎌村恭子
   今年竹もう電線につかえそう   成田ヒデ子
   夾竹桃高し部活の声近し     鶴瀬 萩

. o(≧▽≦)o .:入門者安田五郎さんの名札を書き損じたので現在板を削って書き直しているそうです。ご寛容に願います。句の方は掲載されております。また十級尾崎宏子さんの文字も書き損じております。修正にお時間をください。ご本人方にはご迷惑をおかけしました。お詫びいたします。(道場管理者)

明易の果実熟せし香を放つ         (果実を持ってきたのが強烈)    
跨ぎ行き跨ぎ帰りし蟻の道         (作者は雨安居の意味を識っている)
あめんぼの自由の世界田は広し       (イメージが良い、世界という言葉が浮いていない)
四電の車来ている滝の前          (現代的なセンスの取り合わせ、四電は広くは通用しない)
暗闇の竹の皮脱ぐ音がする         (聴覚は心が静かに働いている時敏感になる)
子かまきり尾の先までもいかってる     (魅力的な表現)
梅雨空に溶け出していく輪郭線       (わかりよい表現)
ロボットから二つ受け取るソーダ水     (現代の風景に挑戦 「二つ」がリアルさを増した)
夏蝶よ来い病室の青き空          (古語調なら「来よ」。冬扇は言葉の「格」を重視する)
おもいっきり南瓜の花開きたり       (「なんきん」と読もう)
今年竹もう電線につかえそう        (イメージがわく 近所の空は光ケーブルに占領された)
夾竹桃高し部活の声近し          (夾竹桃もわりあい言語空間の豊かな言葉 継接法)
ホタル飛ぶ在所の家の灯は消えて      (在所に趣がある、しかし陳腐)
算盤を鳴らし走らせ跣足の子        (ノスタルジック。「走らせ」はこの頃の子は分からないかも)
蚰蜒の道渡り行く速さかな         (面白いが陳腐)
梅雨の蝶手押し信号あれば押す       (悪くはないが、あまり面白くない理屈)
ハンドルの左右に抜ける青田風       (イメージがつくりにくい。表現に一工夫)
一面の田に田植機行き交いぬ        (表現が緩い 「緩い」は俳句用語)
千年の夏得る大樹何思う          (安易な表現はいただけません)
コンテナ船荷揚げ待つ湾朝焼けて      (絵画にしたら「荷揚げ待つ」はどのように表現しますか)
夏燕歯科の中庭迷いおり          (音調に魅力が少ない 「な」が泣いている)
もろこしの名前甘々娘買う         (説明で終わってしまった)
下に下に蟻の大名行列だ          (かわいいが、ちと)
表現って同化すること青蛙         (そうですね)
擦れ違う男子生徒も日傘かな        (昔、日傘は紳士の必需品だったとか)
四六時中鼻水だらだら夏の風邪       (お気の毒さまです)
梅雨晴れやミセスグリーンの歌が好き    (同感です)
プールサイドにおせんべおせんべやけたかな (なるほど。少し不気味なシーン)
緑蔭にシーソーを待つ黄の帽子       (悪くはないが、もう一歩)
オーデコロンつけて東京帰りかな      (高峰秀子のカルメン。ケルン水だよな、男性かな)
足さばき競う揃いの藍浴衣         (ちょっと絵になる)
黒鯛の潮となりけり離岸流         (地誌の勉強になります)
その昔ばば様も着たアッパッパ       (ですね、サザエさんも皆さんもそう言います)
梅雨入りや現場事務所の昼灯り       (採りたくなる句)
稚立つぞ動くな地球風薫る         (大げさなのは分かるのですが、わかりにくい)
朝の蜘蛛迷いて逃がす厨窓         (「迷いて」が余計なのでは、でも迷ったと言いたいのか)

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