俳句はどう詠うのか:その4

 「語彙の選択(上)」 随聞小話第054回 (ひまわり誌2026年7月号(通巻960号))

 

  ブランコに乗ってだんだん風になる

 言葉には同じものを指すのにいろいろな言葉があります、たとえば紫陽花を七変化と呼んだりします。でもひらがな表記とカタカナ表記で受ける趣が異なるように別名でも趣は異なります。紫陽花は4音だが七変化は五音で便利だからなどというのは言葉に対して失礼だと思ってください。また、七変化は珍しいから使って学のあるところをひけらかしてやろうなどというのもどうですかね。あなただけが知らないのかも、です。 

 さて、私が語彙の選択を皆さんが間違うことが多いのは「ぶらんこ」です。いろいろな呼び方があるので、まず代表的な句を並べてみます。なぜその語彙になっているか考えてみてください。またそれでどのゆな趣を感じるか考えてみてください。世の中には大家と言われる人の句でもなぜこの語彙を選んだのか疑問に思う句がたくさんあります。下記の句はぴったりの選択だと思うものを選びました。

 ふらんどや桜の花をもちながら    小林一茶 

 ふらここの会釈こぼるるや高みより 炭太祇   

 鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし     三橋鷹女  

 日の暮れのぶらんこ一つ泣き軋る   渡邊白泉  

 仰ぐ人たちが逆さよ半仙戯      阿波野青畝  

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