随聞小話第4回(初出:ひまわり2022年5月号)
讃岐と阿波は和三盆の特産地ですね。和三盆とはサトウキビからとる黒糖を精製して白くした砂糖ですが、讃岐や阿波のそれは独特の風味と舌触りがあり、高級な和菓子に使用されています。あの味は原料のサトウキビの品種が竹糖であることと、研ぎといわれる精製する手作業に独特な伝統の秘密があるようです。板野町にある和三盆の製造工場を見学したかたも多いかもしれません。
阿波の土産に半球の和三盆を二つ合わせて紙にひねって包んだお菓子があります。1センチほどで、紙をほどいて口に含むととても品の良い甘さ。型に推した干菓子も食べるのが、おしいようにかわいらしい。阿波踊り空港でお土産に和三盆のお菓子を買っていくと訪問先の評判は上々でしたね。
桃の日や砂糖づくりの女の子 冬扇

もう一つサトウキビというと私の頭の中にはザワワ、ザワワと風が吹き歌が流れてきます。サトウキビ畑という歌です。昨日6月23日は、今から81年前に沖縄戦で組織的な戦闘が終結したとされる「慰霊の日」でした。あの沖縄戦では、一般住民も巻き込まれ、20万人余りの尊い人命が失われました。サトウキビ畑の歌には、その悲しみと、どうしょうもない怒りがあの美しいメロディに込められているように思えます。
ゴーヤチャンプル彼の世の人がぞろぞろと 冬扇
ゴーヤはじけあの日もきっと暑かった 冬扇
