俳句はどう詠うのか:その1

 「文字の格」

   雨音のリズムばらばら春の夢  高橋仁美

 文字には格があります。ここでいう格とはランクの意味ではなく、「文字にはそれぞれ性格がある」という類の上下のない格です。

 現代の日本語が通常生活で使用している文字は六種類あります。文字には表音文字と表意文字があることはよく知られているとおりです。日本語は両方を用いているから豊かな表現が可能だと思います。  

 俳句ではそのうち漢字、カタカナ、ひらがなの三種が主に使用されます。例句にはその三種類が使用されています。ひらがなとカタカナについてリズムはカタカナ(片仮名)ですね。なぜひらがなでなくカタカナを使用したのでしょうか、この句の場合は外来語であるので、そう表記したのでしょう。カタカナには外来語感、モダン、視覚的強さ(昔男文字と言われた)、自由律との相性などの性格があります。

 さて次の三句では「rose」を三種の文字で表記しました。それぞれどんな感じを受けるか味わってみましょう。

〈バラ散るや己がくづれし音の中〉

〈ばら散るや己がくづれし音の中〉

〈薔薇散るや己がくづれし音の中〉

      (ひまわり誌2026年4月号西池冬扇の随聞小話第051回)

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