佐原吟行記

  2026年10月17日(土曜日) 井上博文 記

                                          (挿絵:冬扇by英愛)

(スナップ写真は別のページにあります)

先月の千葉県の台風は被害が大きく、吟行の開催が危ぶまれましたが、またまたみどり主宰の「晴れ女パワー」が発揮され、佐原は本当に良いお天気に恵まれました。初めて参加された西野里恵さん、房総支部の大塚坦々さん、「やぶれ傘」の脇村碧さんなども加わり、総勢十七人で小江戸と呼ばれる佐原を巡り、お陰様で素晴らしい句会となりました。

佐原の町には、日本で初めて実測日本地図を作製した伊能忠敬翁の旧宅を初め、江戸・明治の古い建物が大火の後も多く残っており、「江戸優り」と言われるほどの栄華を誇った古き良き時代を偲ばせてくれます。

治水にたけた旅籠の街でもあり、味噌、醤油、お酒などの商都で、あちこちに現在の商売とは異なる看板を掲げてお店を出しています。子供の頃からお祭りには町民全員参加で、下座連というしっかりとした組織の下、町は動いています、多くの倉庫や店は何故煤けているか、河岸の秋桜は何故今年は元気がないか等々、街並み舟巡りの船頭さんが色々面白可笑しく、詳しく教えてくれました。

このような歴史の息づく水郷の商都で吟行を行い、句会の会場は、日本料理「そう馬」で行われました。(博文記)

 選句結果

川風に過去も未来も秋麗 志保 (眞紀)

舟宿が栄えし都秋の風 坦々(◎里恵 ◎由宜)

次の季を手招く如き枯蓮田 裕美 (志保)

旧邸に錠のかかる戸秋日射す 碧 (◎戸折 由宜)

秋涼し和紙屋の奥に法被あり 裕美 (◎才二 ◎博文)

鴨も来て小江戸の川に水立たす みどり (戸折)

天高し日本の忠敬ここにあり 博文 (◎眞紀)

樋橋の板の隙間や秋の声 才二 (さつき)

街灯の切り絵に透けた秋の空 由宜 (◎志保 万葉 亮子 雅子)

舟寄せの板の隙間を草枯るる 戸折 (万葉 裕美)

いつもより歩数気にして秋小江戸 亮子 (◎奈都子)

忠敬の旅立ちの川秋の空 里恵 (◎万葉 由宜)

さわやかに歴史語るる古看板 博文 (坦々)

水澄むや 小江戸は今も江戸優り 眞紀 (◎碧 万葉  才二 雅子)

大火後も留まる町屋天高し 由宜 (◎亮子)

小野川はゆるく曲がりて柳散る 戸折 (眞紀)

秋桜船頭さんの街自慢 万葉 (◎さつき 奈都子 博文)

秋すだれ笛袋ある荒物店 万葉 (裕美)

煤けたる白壁そびゆ秋日和 奈都子 (里恵 博文)

鳩住める万代橋の蔦紅葉 万葉 (志保)

気ままなる川に気ままな秋の鴨 奈都子 (戸折 碧)

伊能家のだし場も乾く秋日和 眞紀 (◎坦々 戸折)

船頭の佐原語りや秋麗 裕美 (奈都子)

舟寄せの縁やや朽ちて秋の風 碧 (万葉 戸折)

曲がるたびシャッターチャンス秋の舟 奈都子 (◎雅子 才二)

秋麗ら明治の瑠璃に映る街 さつき (里恵)

舟宿の二階の窓へ秋の風 みどり (亮子 碧)

秋澄むや橋をくぐれば水まぶし 才二 (さつき)

秋風や川面にうつるあうんの鯛 里恵(◎裕美)

みどり主宰選

特選

秋桜船頭さんの街自慢 万葉 

柳散る渡船場に乗る舟が着き 碧

並選

旧邸に錠の掛かる戸秋日射す 碧

水澄むや小江戸は今も江戸優り 眞紀

船頭の佐原語りや秋麗 裕美

舟寄せの縁やや朽ちて秋の風 碧

本日の一句

みどり主幹 船宿の二階の窓へ秋の風

万葉 秋桜船頭さんの街自慢

戸折 舟寄の板の隙間を草枯るる

奈都子 煤けたる白壁そびゆ秋日和

博文 天高し日本の忠敬ここにあり

雅子 地図片手秋を訪ねる小江戸かな

由宜 大火後も留まる町屋秋高し

坦々 船宿が栄えし古都の秋の風

志保 川風に過去も未来も秋麗

裕美 秋涼し和紙屋の奥に法被あり

里恵 忠敬の旅立ちの川秋の空

亮子 いつもより歩数気にして小江戸秋

眞紀 水澄むや小江戸は今も江戸優り

才二 秋澄むや橋をくぐれば水まぶし

さつき 秋麗ら明治の瑠璃の映る街

碧  柳散る渡船場に乗る舟が着き

                                              井上博文

“佐原吟行記” への 3 件のフィードバック

  1. 井内胡桃 より:

     詳しい佐原の吟行記と皆様の素晴らしい俳句を拝読させて頂き、水郷佐原地区の様子がよく伝わってきます。スナップ写真も秋の澄んだ空気が感じられます…
    ありがとうございます。

  2. 川口厚子 より:

    みどり先生の晴れ女パワーは凄いですね!
    秋晴れの中、歴史と情緒溢れる佐原の町での吟行・句会、楽しそうです!すばらしい句がたくさんあり、充実した句会の様子も吟行記から伝わります!
    胡桃ちゃんと同感で、東京(+房総)パワーを感じ、負けとれんというところです!

  3. Tohsen より:

    伊能忠敬歩いているのは、もしや桃青さんではありませんか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください。