第5回ひまわり俳句道場一口選評

一口選評

特選1句

七輪の炭真っ赤っ赤秋刀魚焼く    佐野新一   :このごろは見なくなったが記憶にあるリアルな景

入選9句
猫バスは野越え丘越え大銀河     井内胡桃   :猫バスも日本の「文化」になった。ジブリの世界の景
蜩や今日の作業はあと少し      武田道子   :蜩には夕方が良く似合う。
山道のひととこ葛のこぼれ花     藤本紀子   :葛には多くの趣がまとわりついている。
秋澄めりたこせんべいのぺったんこ  生島春江   :これもなんとなくノスタルジーを感じさせる句。
白露や久留里の峰に星ひとつ     松岡才二   :久留里は千葉県の地名であるが、趣のある響きがある。
帰りたくなる夜のありて蚯蚓鳴く   松岡さつき  :誰が何処へを思わせる、こういう趣も俳句にはある。
朝早く歩く人あり秋の雲       鎌村恭子   :朝から快晴。雲はいつでも季節を纏っている。
山盛りのすだち搾れり阿波女     鶴瀬 萩   :阿波人は酢橘を贅沢に使用する。
名月を見上げて合わす手の温み    大塚正子   :合掌に触感と情感をこめた。


秋の蚊や炊事する手にふっと来る   吉田正子   :この句の内容は一章で詠う方が良い。
放送の夕焼けこやけ秋の五時     山本茂美   :漢字とひらがなの混用は無意味。
跳ぶ飛蝗その上を飛ぶ赤蜻蛉     川口厚子   :複眼の視点を持つ試み。ただ、この句材では陳腐。
長き夜や犬の寝相のよく変わる    丸岡扶左子  :それなりに面白い。
空摺の雨の浮世絵秋来る       上荷千賀   :新鮮な句材が良い。下五は動きそう。
零余子飯揃わぬ粒を楽しみつ     中富はるか  :新鮮なところが良い。
白菊を柩の友へただ涙        平 弥生   :哀悼という「挨拶句」
高い硝子窓叩く九月の雨       尾﨑宏子   :「高窓の硝子を叩く」であろう。
八月や投げては戻るブーメラン    錦野斌彦   :それなりに面白いが、ブーメランの戻るのは当たり前。
秋風や漁村の中のステーキ屋     錦野絹子   :取り合せの妙。
秋渇きよくよく噛めと戒めん     上地禎子   :面白い。
秋の蚊一匹風呂場に追い詰める    今岡京子   :新鮮な句材。
稲妻にドキリスリラー大音響     斎藤いちご  :似たような言葉の羅列。
なめくじら果てて残せし道の跡    清水規代   :似たような句材の句が多い。
稔田の野太い声や誰か呼ぶ      田辺美葉   :下五に工夫が必要。
白バイは前に後ろに月今宵      安田五郎   :もうすぐ「そこの車止まりなさい」とか。
生垣の坊ちゃんなんきん数知れず   成田ヒデ子  :新鮮な句材でかつ面白い。
電柱の鬣となり葛かずら       山田百代   :なるほど感。
八朔の寺や法螺貝鳴り渡る      山下悦子   :それなりです。
秋雨や砂場うなだれブルドーザー   大賀 毬   :ブルトーザをうなだれさす句は多い。
とりどりの紫揺れて庭に秋      松尾智子   :とりどりにもう一工夫。
芋の露右に左に転びけり       今倉雅子   :狙いはいい。もう一歩。
花カンナ恩師に続く坂ひとつ     坂本明召   :続くの意味があいまい。
星月夜薪風呂の湯のやわらかし    土井清子   :うらやましいが、炊くのが大変ですね。
草撫でて歳時記めくるは初嵐     谷本健一   :うーん。分かったような、ないような。

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