西池冬扇会長 選
特 選
12 見送りに出れば一面夕焼雲
ありそうだが、ないと思う、美しく広がったシーン
35 屁糞葛匍匐前進ニメートル
こういう句もあるのだ
入 選
6 海を見るだけの公園ソーダ水
11 風鈴の舌はくるくる陽は燦燦
17 炎昼や羅漢さんかて大胡座
満載弁にはあじがある
19 鉦打つや半ケツ乗りの鉾の上
知らない言葉
25 そこまでと出れば追い越す夏燕
29 向日葵の青き香りを抱きかかえ
32 川風や昨日の夜店消えており
34 山鉾のゆらりがたりと曳き初める
38 「はいはいはい」ははいではないよソーダ水
41 滔々と川は流れる青薄
42 ここだったかしらと訪えば蔦青葉
このごろどこでも蔦が威張ってる
西池みどり主宰 選
特 選
15 裏山の笹見繕う星まつり
七夕笹を切ってくるとは風流な。どの笹にしようかと選ぶのがまた素敵な迷い。
27 植木鉢に畏まっている蟇
おや、なんてところに。思わず笑ってしまった。こんな句が楽しくて良い。
入 選
7 店頭の鰹は口を尖らせて
魚の口はどれも尖っているように見えるが、鰹は鰹で不満があるのだろう。
17 炎昼や羅漢さんかて大胡座
関西弁か。羅漢さんのいろいろなポーズはよく句になる。
37 海風に負けて日傘を閉じにけり
強風の中、涼しい。
44 へそ石に賽銭五円夏の京
何にでもお賽銭を置いていく日本人。いや、トレビの泉も小銭がいっぱいだった。
幹事・今岡京子 選
17 炎昼や羅漢さんかて大胡座
羅漢さんかてという言い方がいかにも日常的で、そこに大胡坐がくると、やはり羅漢さんは私たちの身近な存在なの
だと。
34 山鉾のゆらりがたりと曳き初める
あの大きな山鉾が動き出す時は、ゆらりがたりなんでしょうね。臨場感いっぱい!
(以下受付順)
佐藤戸折 選
特 選
9 冷房裡サラダから取るバイキング
涼感に涼味を重ね、冷えた夏野菜の彩りをも添える。夏の涼しい室内でゆっくり美食のシチュエーーションですね。
これがバーベキューだったらと考えると、サラダは詠まれないし、逆に汗 が噴き出してくる。
入 選
23 木洩れ日が車体を走る夏の山
木漏れ日が走る、と逆に言ったのは、青葉・万緑・夏木立・木下闇などの恐ろしいほどの
夏山への感動の表れか。
30 朱夏の街寄ろうか赤い喫茶店
昨日、病院の受付時間を2時間も間違えて朱夏の街に見つけたのは赤い字の扉の喫茶店だっ
た。入った!!! どうぞ迷うことなく入ってください。一句ができます。
32 川風や昨日の夜店消えており
作者は、昼に見ているのか夜に見ているのか。きっと夜の川風が恋しくて怪しくひとりで川
べりなどをーーー。
34 山鉾のゆらりがたりと曳き初める
本当にその通り。ちょうど今、水郷佐原では佐原囃子にのって引き廻しされています。
10月東京吟行が予定されている
酒井光代 選
17 炎昼や羅漢さんかて大胡座
44 へそ石に賽銭五円夏の京
齋 孝子 選
24 日傘買う晴雨兼用男物
34 山鉾のゆらりがたりと曳き初める
新井義典 選
特 選
21 ほらごらん入道雲がまた伸びた
入道雲が成長する様子を軽妙に表現した。
入 選
11 風鈴の舌はくるくる陽は燦燦
27 植木鉢に畏まっている蟇
28 湿原に真白き花の咲いて夏
35 屁糞葛匍匐前進ニメートル
駒木幹正 選
特 選
23 木洩れ日が車体を走る夏の山
この句からテレビ画面に映る車の宣伝が甦る。
車体を走る木洩れ日はどこからの視点か不思議な世界。
入 選
13 どの田にも昔アメンボゲンゴロウ
いやいや、今の田んぼにも池にも水馬や源五郎は元気。
ただ、作者の着眼は少なくなった水田。
24 日傘買う晴雨兼用男物
お天気番組で特集していました。
38 「はいはいはい」ははいではないよソーダ水
まるで、都々逸。ソーダ水で、そうだそうーだと囃している。楽しい七七五。
44 へそ石に賽銭五円夏の京
華道発祥の地とされる六角堂の臍石に5円玉が確かに。
尾﨑宏子 選
7 店頭の鰹は口を尖らせて
そんなお口ですね
14 梅雨明けて遮光帽子に遮光傘
最近は小中学生も遮光傘さしていますね熱中症アラートやばいです
山田百代 選
1 武蔵野の池の静かを石たたき
30 朱夏の街寄ろうか赤い喫茶店
元木悦子 選
6 海を見るだけの公園ソーダ水
海を見ながらぼんやりと過ごす夏のある1日。何気ない言葉の中に『詩』を感じ
ました。
28 湿原に真白き花の咲いて夏
尾瀬とか、軽井沢とか、涼しい高原に旅したような気持ちになりました。
水田友子 選
4 竹矢来鈍く光りて祭前
竹矢来の静けさと祭の前の静けさが響きあって 期待の気持ちも感じられ引かれました
15 裏山の笹身繕う星まつり
裏の山でよき形の笹が用意出来 年中行事を大事にされている 羨ましい環境で
心あたたまります
鶴瀬 萩 選
6 海を見るだけの公園ソーダ水
25 そこまでと出れば追い越す夏燕
西池万葉 選
特 選
23 木洩れ日が車体を走る夏の山
車が走ると、木漏れ日が車体の上を走っていく。車の中から眺めたのか、通り過ぎる 車を見て詠んだのか、ドローンの映像なのかなどと色々想像しました。
入 選
15 裏山の笹見繕う星まつり
七夕に合わせて飾り付けをするための笹を裏山からとってこられたのですね。
季節の行事を 手近な自然を取り入れて楽しむ幸せな様子が伝わります。
25 そこまでと出れば追い越す夏燕
ちょっとそこまで外に出たらすっと夏燕がよぎったのでしょうか。燕の気持ち良い くらいのスピード感が伝わる句だと思います。
29 向日葵の青き香りを抱きかかえ
切り立てのひまわりは青い香りがするのでしょうか。
32 川風や昨日の夜店消えており
川の近くに出ていた夜店は、朝になったら忽然と消えていたのでしょう。
日常の何気 ないひとこまですが、お祭りの後の寂しさ、静けさを感じました。
亀井きみ江 選
11 風鈴の舌はくるくる陽は燦燦
確かに風鈴の舌?くるくる回って涼しい音を振りまきますね。明るい夏の陽が降り 注ぐ中で…。 この頃は、暑すぎますが。
35 屁糞葛匍匐前進ニメートル
厄介な葛!更に木や草に触れたら巻きついてニメートル…果てしなく伸びますね。
藤原ミモザ 選
23 木洩れ日が車体を走る夏の山
爽やかな風を切って夏山を行く情景に惹かれました。
38「はいはいはい」ははいではないよソーダ水
ソーダ水という取り合わせが素敵ですね。懐かしいセリフに共感いたしました。
大西裕子 選
特 選
15 裏山の笹見繕う星まつり
初秋の季語で七夕の傍題となっている星まつり、旧歴の七夕を過ごした私たちは夏休みの楽しい思い出となっています。父親がこの句と同じように山から一本見繕って 一連の行事を鮮明に覚えていま す。今も大切に行っていることに感心致しました。
入 選
19 鉦打つや半ケツ乗りの鉾の上
24 日傘買う晴雨兼用男物
43 熊鈴を鳴らして歩く登山道
44 へそ石に賽銭五円夏の京
斎藤いちご 選
7 店頭の鰹は口を尖らせて
今年は鰹が豊漁だということで、手頃な価格で手に入ります。店先に一本そのままで並んでいることも。
鰹の口はもともと尖っているように思いますが、並んでいる鰹の様子を「口を尖らせて」とすることで、海じゃなく店先なんかにいたくないのにという鰹の気持ちが表れているようで、
ユーモアを感じました。
46 藪より来梅雨の晴れ間の独り言
やっと雨が上がった梅雨の晴れ間、外に出てみると、藪から独り言が聞こえた。
暑い中草刈りか農作業をしている方の呟きでしょうか。蒸し暑い中で作業する人の愚痴 のようにも、土が柔らかくなってどんどん抜ける草に挑む声のようにも思えます。
暑さの中の作業、どうぞお気をつけて。
錦野絹子 選
6 海を見るだけの公園ソーダ水
10 瓶ビール栓抜き一つ老舗宿
菖蒲星子 選
特 選
6 海を見るだけの公園ソーダ水
そうです海は見るだけでいいんです。涼しいところでソーダ水をのみながら…いろいろ思いをめぐらせたり…語り合ったり…
入 選
8 一服の冷茶窓枠の青い山
13 どの田にも昔はアメンボゲンゴロウ
29 向日葵の青き香りを抱きかかえ
34 山鉾の揺らぎがたりと曳き初める
蔵本芙美子 選
特 選
34 山鉾のゆらりがたりと曳き初める
先日京都吟行へ行かれたとき祇園祭の前祭であったから、山鉾の曳き初めが見られたのでしょうか。あの大きな重い鉾を曳きはじめるときには全体が大きく揺れて、乗っている人も一緒に揺れて、
ダイナミックに動き始めるのです。ゆらりがたりの擬態語が、動き出す瞬間を音ではなく「揺れ」で捉えていて、全体に落ち着いた品の良い句だと思いました
入 選
6 海を見るだけの公園ソーダ水
15 裏山の笹見繕う星まつり
17 炎昼や羅漢さんかて大胡座
32 川風や昨日の夜店消えており
木村 修 選
9 冷房裡サラダから取るバイキング
ホテルかレストランかでのバイキング。暑い日でも冷房が効いているのですが、それでもやはりこの時季はサラダが欠かせません。さらっと詠んでいながら、季節感がよく出ています。
23 木洩れ日が車体を走る夏の山
夏の山の林道を走っているのでしょうか。車体に走るのは木洩れ日。もっとも、走っているのは車の方なのですが、俳句で詠めばこのようになるかと思います。
スピード感、爽快感が醸し出されています。
