随聞小話第6回(初出「ひまわり」誌、2022年7月号)

山本健吉は季語を分類してピラミッドに例えその頂点にあるのが「五箇の景物」だといいました。この「五箇の景物」というのを言い出したのは誰だか知りませんが、江戸宝暦期の『誹諧名目抄』には出ているのでそれよりは古そうです。
時々教室や句会などで、季語中の季語を「五箇の景物」といいますが、その五つはなんであるか当ててごらんという質問をします。しばらく、皆さんでわあきゃあ言っているうちに雪月花や紅葉が、なんとか出てきます。あと一つがなかなか出てこない。鴬があげられることが多いのですが、ブーです。実はホトトギスなのですね。昔の連歌の指南書に夏告鳥といって、季節の到来を待ちかねていたように詠うべしと書いてあります。(西池冬扇)
ホトトギス六道輪廻の往き帰り 冬扇
