真珠星を知っていますか

          随聞小話第2回(初出:ひまわり2022年3月号)

星の名前は季語集にほとんど入っていません。日本人は星や星座に興味が無いわけではないのですが、たしかに昔からの季題に星の名前が少ないですね。昔からあるのは七夕星くらいでしょうか。きっと、お公家さんの日常生活には星の名前の必要性が低かったのでしょう。しかし庶民の生活の中で使用されていた星の名は愕くほど多いのです。農耕をするにも航海をするにも星は大事な季節の情報や方角を教えてくれたのですね。だから星や星座の和名はたくさんあります。野尻抱影(大仏次郎のお兄さんです)が各地で使われている星の名前(和名)を収録したら七百ほどありました。実際にはもっとあるかもしれないし、人々の生活が変化して必要なくなり消えてしまったかも知れない。

春から夏にかけて、晴れた日の夜空を眺めてみましょう。冬の星々とはまたちがう趣があります。そこには無限とはなにかを私たちに教えてくれるかのように、柄杓星、鍵星、船星、麦星、真珠星等々が様々な色彩と明るさの光を放って、輝いてています。えっ、そんな名前の星や星座は知らないって! では、楽しみにこれらの星を探してみましょう。きっと聞いたことのある名前の星だと気が付くはずです。美しい日本の名前が絶えないようにしたいものですね。               (西池冬扇)

  北斗星四温の水をこぼしたり 有馬朗人

  岩鼻に引っかかりたる碇星  西池冬扇

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